マンションひび割れセルフ診断【危険度チェック】
地震で住んでるマンションにひび割れができた人
「管理会社がしっかり対応してくれていない気がする。大丈夫と言われたが、住んでいる者としてはとても不安だ。知識を身につけて、再度対応を求めるか判断しよう。でも、危険なひび割れとはどのようなものだろう?」
こういった疑問に答えていきます。
本記事のテーマ
マンションひび割れセルフ診断【危険度チェック】
筆者の紹介
6月に大阪北部地震で被災。住んでいたマンションに約3mのひび割れが。
今回の地震では99パーセントの住宅被害が一部破損の状態。
管理会社に「手が回らない」と言われ、ひび割れについて情報を集める。管理会社の対応に信頼性がないと判断し、引っ越しすることになりました。
読者さんへのメッセージ
本記事では「危険なひび割れがどのようなものか知りたい!」という方に向けて書いています。
この記事を読むことで基本知識が得られ、管理会社とのやり取りがよりスムーズに行えるようになると思います。
それではさっそく見ていきましょう。
危険なひび割れセルフ診断ポイントを学ぶ
いくつかのポイントをあげました。
自分の住まいのひび割れはどれに属するかチェックしましょう。
危険度ラインは幅0.3㎜
幅0.3㎜以下=ヘアークラック
国土交通省は幅0.3㎜以下のひび割れを「ヘアークラック」と定めています。
ヘアークラックは重大な欠陥に繋がりにくいひび割れです。
見た目の特徴は縮れた髪の毛のようで、表面だけに影響しているケースが多く、塗装などの修繕をすれば問題はないでしょう。
しかし、修繕しないとしても経過観察は必要です。
「ヘアークラック」から「構造クラック」へ悪化することはありませんが、
「ヘアークラック」と思っていたものが経過とともに広がり、実は「構造クラック」だったとわかることもあるからです。
幅0.3㎜以上=構造クラック
幅0.3㎜以上のひび割れは「構造クラック」と定められています。
構造クラックは構造まで影響する重大な欠陥に繋がっているひび割れです。
マンション内部は鉄骨・鉄筋で構造されています。構造クラックからは、雨水などが内部に入り腐食する可能性があるため、早急に専門家の診断や修繕が必要となります。
どのような構造クラックがあるのか
下にいくほど危険度の高い構造クラックです。
危険度の軽い「垂直水平のひび割れ」
コンクリートはひび割れをしやすい素材です。常に重力により、建物は垂直平行に力を受けているため、地震などで垂直平行のひび割れが生じやすくなっています。
割れて衝撃を和らげる柔軟さをもっている方が、長年全く割れず一気に崩れる可能性のあるコンクリートより、安全だと言えるでしょう。
幅や大きさにもよりますが、早急に割れを塞ぐ修繕をすれば問題はありません。
危険度の高い「斜めのひび割れ」
建物の構造バランスが悪くなり、負担がかかっています。
ひび割れの問題よりも建物全体の問題へと波及しています。
ひび割れ修繕だけではなく、建物の耐震補強といった工事が必要な可能性が高いです。
危険度マックス!「せん断クラック=バッテン割れ」
大地震の時に多発するのがこのひび割れです。見た目の特徴はバッテンの形をしていることです。
建物に大きな負担がかかっているため、
耐震補強だけではとどまらず、建て替えや改築も必要になる可能性があります。
どの部分の構造クラックか
またどの部分に「構造クラック」があるかも危険度に関わっています。
【梁(はり)・柱・基礎】のひび割れ
梁・柱・基礎は建物の構造上大変重要な役割を果たしています。
その部分にできたひび割れの耐久性に与える影響は大きいものです。
早急な修繕が必要だと言えます。
外壁のひび割れ
雨風にさらされやすい壁の構造クラックは建物の劣化に大きく影響します。
この場合も早急な修繕が必要だと言えます。
雨漏りによって、外壁のひび割れに気づくこともあります。
自分の住んでいる階だけではなく、上から下まで隅々チェックしてみましょう。
これらの条件を照らし合わせ、どれに当てはまりましたか?
複数当てはまるほど、危険度が高いと言えます。
危険度の高いひび割れであると
一時避難も視野に入れながら対応していくべきでしょう。
管理会社と気長なやり取りを
繰り返しのやり取りになるかもしれません。
住宅破損が多い地域の場合は特に、手が回らない状態で、適切な対応がなされない可能性が高いです。
しかし、それからの対応が退去時に影響してくる場合もあるため注意しましょう。
他機関に介入してもらいながら管理会社とやり取りする
消費者センター・無料建築士相談窓口・無料の弁護士相談窓口など
相談場所は複数あります。
そのような場で専門家の知識を仰ぐことで、管理会社もしっかりとした対応をせざるおえなくなります。
ひび割れの写真は必ず撮っておく
部屋の中やベランダ(専用部分)にひび割れが発生した場合は見つけ次第、管理会社に連絡をしてください。そしてひび割れは写真で残しておきましょう。
大きなひび割れと違い、小さかったり、死角に発生したひび割れは発見しにくいです。
大地震があった場合は部屋を隅々確認しましょう。
退去時の不当な請求を回避するため報告・写真で記録は必須です。
また、専門機関に相談する際に写真があると便利です。
最後に
今回は地震のひび割れセルフ診断チェックポイントをまとめました。
みなさんの住まいのひび割れはどのようなものでしたでしょうか。
熊本地震では最初震度7の40分後に再び震度6弱、翌日に震度6強、翌々日に震度7が起こっています。
最初の地震で耐えられた建物も、地震が重なっていくことで倒壊の可能性が高まっていることは忘れてはいけません。
大きな地震が起こった場合は、地域の避難場所などにすぐ避難しましょう。
そして安全確認を行った上で、様子を見ながら後々にひび割れ診断などは行ってください。
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